私の庭の隅に、大きな桜の木があります。ソメイヨシノではなく、ヤマザクラです。ソメイヨシノとくらべて白っぽい花が咲きます。また、ソメイヨシノとは異なり、花と同時に葉が出てきます。今年は、昨日から今日あたりがちょうど満開です。
この桜は、もともと庭に自生していたもので、昔はそれほど大きくはなかったのですが、毎年少しずつ大きくなり、今では、4階建ての建物と同じくらいの高さになりました。周辺の家からは満開の桜がよく見えるようなのですが、残念ながら、花はすべて、私の自宅の屋根の上で咲くため、私自身は、花が散り始めてようやく咲いていたことに気づく、というありさまです。
ところで、今年の春、この桜の木の上にカラスが巣を作りました。花も葉もない3月の半ばごろ、樹頭近くに黒っぽい塊を発見し、植木屋さんに頼んで取り除いてもらいました。
以前、私の敷地には、樹高が20メートル近くある大きなヒマラヤスギがありました。(いわゆる「日立の樹」ほどではないとしても、)樹冠が非常に大きかったため、カラスが枝に巣を作ってそこで雛が孵ることがないよう、毎年3月から6月にかけて、毎月1回植木屋さんに木に登ってもらい、カラスの巣がないかどうか点検してもらっていました。(巣が見つかった場合には、これを取り除き、かつ、巣が作られていた枝を切り落としてもらっていました。毎年数万円の出費でした。)
しかし、このヒマラヤスギは、10年前、自宅を建て替えたときに伐採しました。伐採した理由はいくつもありましたが、その1つに、長年にわたりカラスの駆除に相当な費用をかけてきたにもかかわらず、カラスが原因となって何か問題やトラブルが発生すると、そのたびに、なぜか近隣から「清水さんのカラス」などと言われるのに耐えられなかったことがあります。
ヒマラヤスギを伐採して以来、カラスは庭から姿を消し、カラスの駆除に費用や時間をかけることからは解放されたと思って安心していました。しかし、桜——私の自宅の庭にある木の中では突出して高い木です——にカラスが巣を作るようになったのであるとすると、今後、カラスとの闘いがふたたび始まるかも知れません。しかし、カラスのことを考えるだけで、何となく気持ちが沈みます。
実際、カラスとはもう関わり合いになりたくありません。特に、以前のように、カラスの駆除のために毎年何万円も支出しなければならないような生活には戻りたくありません。
今年中にカラスがふたたび巣を作った場合、ことによると、近隣との関係で、桜——本当に見事なヤマザクラなのですが——を伐採しなければならなくなる可能性がゼロではないと予想しています。
しかし、伐採するとなった場合、費用がいくらかかることか。また、「緑を守れ」などと叫ぶ無責任な人々がどこからともなく湧いてくるかも知れません1 。
移植して持って行きたいという人がいれば、よろこんで差し上げます・・・・・・。
- 実際、2011年にヒマラヤスギを伐採したときには、このような人々が、どこから情報を手に入れたのか、急に湧いてきました。 [↩]