Home 世間話 書いた内容を憶えていない文章がもっともよく読まれていることについて(前篇)

書いた内容を憶えていない文章がもっともよく読まれていることについて(前篇)

by 清水真木

 このブログで公開した文章は、2023年2月現在、550を超え、600に近づきつつあります。公開された文章がこのくらいの数になると、その内容をすべて記憶にとどめることは困難になります。

 実際、すでに今、サイトマップにおいて一覧になった文章の中には、標題を見ただけでは内容を思い出すことができないものが少なくありません。

 それでも、似たようなテーマで書かれた他の複数の文章とのあいだに緩やかな連関が認められるもの、たとえば「高等教育」「哲学」「表現の自由」「知的生産」などに関する文章なら、標題にもとづいて内容を予想することができないわけではありません。

 しかし、このブログの中には、このような連関を他とのあいだに持たない孤立した文章がいくつもあります。このような文章を書くために費やした時間や体力は、他の文章とくらべて少なく、書いた事実すらすぐに忘れてしまうことが少なくありません。当然、標題を見ても、内容を思い出すことは困難です。

 ところが、不思議なことに、このブログの中でもっともよく読まれているのはいずれも、他との関連において書かれた文章、いわば、文章の「星雲」の中心の近くにある文章ではなく、完全に孤立した、「星雲」の周縁に位置を占める文章です。今日現在、このブログの中で過去1ヶ月のページビューがもっとも多かった文章を上から3つ示すなら、

となります。(最近1ヶ月に範囲を限るなら、これら3つの文章のページビューだけで、このブログのページビュー全体の約3割になります。)

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