Home 世間話 現実逃避の手段としての高圧洗浄機について(前篇)

現実逃避の手段としての高圧洗浄機について(前篇)

by 清水真木

 私の自宅の玄関と門のあいだは、コンクリートの土間になっています。

 建て替える前の古い自宅では、玄関と門のあいだに砂利が敷かれ、その上にコンクリートの板が飛び石として置かれていました。(縦に長い敷地の一番奥にへばりつくように建てられていた自宅の玄関から門までは、相当な距離がありました。)

 しかし、放っておくと、飛び石のあいだに雑草が生えて飛び石が覆い隠されてしまいます。ときには、雑草のせいで飛び石がズレてしまうこともありました。そのため、10年前に自宅を建て替えたとき、雑草を見ずに外出することができるよう、玄関と門のあいだは、すべてコンクリートで畳んでしまいました。今では、玄関を出ると雑草だらけ、というようなことはありません。

 ところが、この土間のコンクリートは、一応水平のはずなのですが、完全に平らというわけではなく、微妙な凹凸があります。雨が降ると、その直後には、凹んだところに小さな水たまりができることがあります。そして、何年か経つうちに、この凹んだ箇所にコケが生え、滑りやすくなってきました。そして、ちょうど一昨年の今ごろ、玄関から門に向かう途中、このコケで足を滑らせ、転倒しました。骨折は免れましたが、それから数ヶ月のあいだ、打ったところがいくらか痛みました。

 私は、DIYを大の苦手としています。修繕も掃除も、ごく簡単なものを除き、すべて人任せにしています。今の自宅を建て替えるとき、建築士の方に出した要望が「災害に強いこと」と「メインテナンスがラクなこと」だったくらいです。私は、戸建てに住むのに一番向いていない人間なのでしょう。

 それでも、コケで足を滑らせたときには、さすがに背に腹は代えられず、高圧洗浄機を購入して自分で土間を掃除することにしました。転んだせいで腕が痛く、デッキブラシを使うことは最初から念頭にありませんでした。

 よく知られているように、高圧洗浄機というのは、高い水圧の水を噴射して汚れを落とす装置です。専門の業者が使う特別に高機能なものでなければ、高額というほどではありません。自動車の洗浄にも使うことができるようですが、私は、自動車を所有しておらず、試したことはありません。

 ただ、私の場合、土間の面積がそれなりに広かったため、高圧洗浄機を購入しました1 が、高圧洗浄機できれいになるのは、高い水圧がかかっても壊れたり変形したりしないような硬くて大きなものだけです。また、水が当たることでものすごい量の水しぶきが飛散しますから、濡らしてはいけないものが周囲にある場合にも、高圧洗浄機は使えません。私自身、この2年間で、合計15回くらいしか使っていません。高圧洗浄機は、出番が限定された道具です。この意味では、高額であると言えないこともありません。(後篇に続く)

  1. 複数の区画に分割して週末ごとに少しずつ洗浄して行き、約1ヶ月で全体をきれいにしました。 []

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