Home 世間話 郵便番号7桁と情報の冗長性について(前篇)

郵便番号7桁と情報の冗長性について(前篇)

by 清水真木

 2022年現在、わが国の郵便番号は7桁あります。郵便番号が7桁になったのは、今から24年前の1998(平成)年2月であり、それ以前、郵便番号は3桁でした。

 私は、生活のある面において極端に合理的であることを求める癖があります。そのため、1998年までは、他から強いられないかぎり、表書きと裏書きに郵便番号を書くことはありませんでした。

 そもそも、宛先の住所が明記されているのなら、郵便番号などなくても郵便物は届けられるはずです。換言すれば、住所と郵便番号を両方とも書くとは、情報を故意に重複させるのと同じことです。そして、重複した情報を、重複していると承知していながらわざわざ書き記すことは、差出人にとっては無駄な手間以外の何ものでもありません。これが、1998年まで私が郵便番号を使わなかった理由です。(現在でも、私の名刺には郵便番号が印刷されていません。)

 しかし、1998年2月に郵便番号が7桁化するのと同時に、私は、態度を一変させ、郵便番号を積極的に使うようになりました。というのも、郵便番号7桁を記載することにより、宛先の住所のうち、都道府県とその下の市区町村まで省略することができるようになったからです。宛先が東京なら「○○区」や「○○市」まで、や政令指定都市なら「○○区」まで省略し、その下の町名から記載すればよいことになります。手書きの手間を考慮するなら、これは大変な合理化であり、これ以降、私は、郵便物の表書きと裏書きでは、7桁の郵便番号を記載する代わりに、宛先の都道府県名と市区町村名をすべて省略しています。

 ただ、この7桁の郵便番号を記載すれば都道府県名と市区町村名は省略可能であるのは、狭い意味における「郵便物」の場合に限られます。これ以外の場合、たとえば「連絡先の記入欄」や「宅急便の伝票」などでは、7桁の郵便番号とともに住所を都道府県から書くよう求められます。これは、私には納得することができない不合理な要求です。(後篇に続く)

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