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無料のサービスとどのように付き合うか

by 清水真木




 しばらく前、ツイッターのアカウントにログインしようとしたところ、携帯電話に送信する認証コードを入力するよう求める画面が出ました。私は、コードを入力するまで画面が切り替わることはないと判断し、同じ画面にある「コードを送信」のボタンをクリックしました。しかし、いくら待っても認証コードは届きません。当然、何の操作もできないまま、時間だけが過ぎて行きました。

 仕方なく、数日後、ツイッターの「異議申し立て」窓口を通じて状況を説明し、操作できるようにしてもらいたいと依頼したところ、「ご利用のアカウントで、Twitterルールに違反する不自然な行為が報告されたため、次の手順を実行していただくまで、アカウントが凍結されることをご連絡します」という文で始まる自動返信のメールが即座に送られてきました。

 とはいえ、その時点では、たとえ「ルールに違反する不自然な行為」があり、改善が必要であるとしても、私のアカウントについては、いかなる操作も実行不可能でした。(もっとも、この4ヶ月間、私のアカウントはほぼ完全に放置されており、ルールに違反しようがないのですが・・・・・・。)

 そこで、他に何か手段がないかしばらくのあいだ思案し、しかし、結局、何も思いつかなかったため、さらに数日後、上記のメールに対し、「『不自然な行為』なるものに心当たりは一切ないが、たとえそのような行為があったとしても、いずれにしても、操作できるようにしてくれないかぎり対処したくてもできない」という意味のことを書いて返信しました。

 すると、1時間くらい経過して、Twitter Supportのアカウントから、「ロックを解除しアカウントにアクセスできるようにした」旨が記されたメールが届きました。このメールによると、ツイッターが運用する「スパムを自動生成するTwitterアカウントを検出して削除するシステム」が私のアカウントを「スパムアカウントと誤認識した」のだそうです。

 そもそも、ツイッターはすべて無料のサービスであり、2021年9月現在、有料のオプションはありません。(Facebookについてもまた、事情は同じです。)このようなサービスとの関係では、私はたしかに「ユーザー」ではありますが、サービスの対価を金銭の形で支払っているわけではありません。

 まず、私は、ツイッターの異議申し立て窓口に臨むときの態度について大いに迷いました。たしかに、ツイッターのサービスを使うのが私の正当な権利であると考えるなら、「心当たりのない理由によって権利を不当に侵害された」と訴えてかまわないことになります。

 しかし、ツイッターとの関係について、これとは理解を異にする人が少なくないようです。「ツイッター 異議申し立て 例文」のキーワードで検索すると、異議申し立ての「コツ」のようなものを「例文」とともに披露するウェブサイトのページがいくつもヒットします。そして、このようなページに掲載された「例文」はいずれも、なぜかユーザーの「低姿勢」を過剰に強調しているように私には見えました。ことによると、ツイッターは「無料で使わせていただいているもの」であるから、低姿勢の方が返信が早いという思い込みによって支配されているのかも知れません。

 私自身は、「コツ」を披露するこれらのページの忠告をすべて無視し、どちらかと言うと「上から目線」のメールを送って問題を解決しました。

 もっとも、2つの考え方のいずれかが正しいというわけではなく、必要な事項を漏れなく記載しさえすれば、態度が低姿勢であるか高圧的であるかには関係なく、必要な処置はなされるというのが現実であるように思われます。

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