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生野菜について

by 清水真木

 私には、普段の食生活において生野菜を口にする習慣がありません。

 トマトやキュウリやレタスのように生で食べるのが普通であるような少数の例外を除き、口にする野菜については、加熱されたものか、漬けられたものかのいずれかと決めています。

 きっかけは、1990年代後半から2000年代前半に繰り返し発生した腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒です。私自身が被害者になったわけではありませんが、このころから、加熱されていない食品をできるかぎり口にしないようになりました。そして、この習慣が、少なくとも野菜については、そのまま現在まで続いているのです。

 もっとも、「出されても食べない」というほど生野菜をかたくなに拒絶しているわけではなく、また、考えてみれば、果物や魚は生で食べることがありますから、「加熱されない食品は口にしない」という一貫した原則があるわけではないようです。(自宅で調理するときにはできるかぎり何もかも加熱する、というだけのことです。)

 私が特に警戒するのは、いわゆる「有機野菜」と「無農薬野菜」です。

 まず、私は、「無農薬野菜」を原則として食べません。少なくとも自分では選びません。無農薬野菜は、栽培に手間がかかり、その分だけ割高ですが、私の経験では、(私が味音痴なのかも知れませんが、)わざわざ選んで買うほどおいしいわけではなく、かつ——寄生虫や細菌やウィルスが怖いので——徹底的な洗浄と加熱が欠かせないからです。有機野菜もまた、自分で購うことはありませんが、加熱調理する野菜なら、他に選択肢がなければ購入することがあります。

 農薬を使用せず栽培された野菜は、かえって毒性が強くなり、食べると人体に悪影響を与えるという説があります。そのとおりなのかも知れませんが、これは、素人の私には確認のしようがありません。

 また、反対に、「虫が食う野菜は安全」などという話を耳にすることがあります。これは、少なくとも形式的には、農薬を使用しない野菜の毒性に関する上記の仮説と矛盾する主張であり、いずれが正しいのか、これもまた、素人の私には判断することができません。

 野菜は、虫に食われないようにするために有毒な物質を蓄積するはずです。無農薬野菜や有機野菜が虫に食われるとするなら、それは、農薬が使われていないからであるというよりも、むしろ、直観的には、生育に問題があるからであると考えるのが妥当であるように思われるのですが・・・・・・。

 とはいえ、私は、虫食いだらけの割高な葉物野菜を選んで購入するような酔狂とは縁がありません。いずれにしても、普通のスーパーマーケットや八百屋で売られている標準的な野菜を購入して毎日食べています。

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