私には、年賀状を出す習慣がありません。
もちろん、昔から年賀状と無縁だったわけではありません。遅くとも小学校に入学してから3年前まで、私は、毎年100通前後の年賀状を送り出していました。
しかし、年賀はがきを手に入れ、年賀状を作成し、投函する……、年末の特に忙しい時期にこの一連の作業のために費やされる時間と手間は相当なものであり、かつ、その割には、効用が明確ではありませんでした*1。少なくとも、年賀状がきっかけで何かよいことがあった、というようなことは私の記憶にはありません。
もちろん、何十年ものあいだ、「年賀状は必要経費」と観念して続けてきた年賀状をやめることにはなかなか決心がつかず、さんざん迷いました。しかし、最終的に、2018年の暮れに送り出した年賀状に「年賀状はこれでおしまいにする」旨の一筆を書き添えて予告し、その上で、元号が平成から令和に変わるのに合わせて年賀状をやめました。
それ以来、私の方からは年賀状を一切送り出していません。受け取った年賀状のうち、私がただちに反応することが必要であると判断したものに対してのみ、メールで返事することにしています。
現在では、年賀状を個人的に大量に購入するのは老人ばかりではないかと想像します。それほど遠くない将来、年賀状を主な購買層がいなくなるとともに、「年賀はがき」が消滅し、わが国の年末年始がいくらか風通しのよいものになるのではないかとひそかに期待しています。
*1:私にとり、年賀状は、当初から、親しい相手に出すものというよりも、むしろ、仕事上の付き合いのある目上への安否確認を兼ねた挨拶として出すものであり、年賀状を出すことは、それ自体が仕事の一部でした。