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しばらく前、次のような記事を読みました。
この記事にあるように、動詞「ひもとく」は「読む」の同義語です。したがって、本来は、「ひもとく」の目的語になりうるのは、書物あるいは書物に見立てられた何ものかだけです。
しかし、最近、この「ひもとく」の用例に、誤って「解明する」の意味で使われているものが散見します。というよりも、私が最近10年くらいのあいだに目にしたり耳にしたりした用例のうち、90%以上は誤用です。
帙に入った書物なるものを知らない者が、なぜ「ひもとく」に「ひも」の2文字が入っているのかわからないまま、この2文字をアッサリ無視して「ひもとく」が「解く」の同義語であると勘違いしたのが誤用の起源なのでしょう。
NHKのアナウンサーが誤った意味で「ひもとく」を使っているのを見たことがありますから、残念ながら、「ひもとく」は、もはや誤った用法によって乗っ取られてしまったということなのかも知れません。