今日(1月13日)のお昼ごろ、所用があって京橋に行きました。自宅を出て京橋に行くときには、普段なら、荻窪駅から丸ノ内線に乗り、赤坂見附駅で銀座線に乗り換えて京橋駅で降ります。しかし、今日は、時間に余裕がなく、東京駅まで中央線で行き、丸の内口で外に出て、タクシーに乗りました*1。タクシーなら、東京駅から京橋まで5分程度のはずでした。
ところが、タクシーが丸の内口のロータリーを出ようとしたところで、信号が赤になりました。すぐに青に変わるであろうと思って待っていたのですが、実際には、それから10分以上のあいだ赤信号が続き、この間、ずっと信号が青に変わるのを待っていました。そして、私は遅刻しました。
赤信号がいつまでも変わらなかったのは、春闘に関係すると思われるデモが行われていたからです。このデモは、12時20分ごろ、有楽町方面から現れ、東京駅の丸の内口の前を横切って大手町の方に向って行きました。その間、警察が信号を操作したのでしょう、都道の方の信号はすべて青のまま、そして、これを横切る交差点の信号の方はすべて赤のままになっていました。
たしかに、デモの列が信号を理由に分断されるのは、デモの主催者にとっては都合が悪いでしょう。(私は交通規制には不案内であり、自信はありませんが、)警察もまた、デモが通過する予定の交差点の信号をすべて青のままとしてデモをさっさと通過させてしまった方がよいと判断したのかも知れません。
また、タクシーや自家用車なら、デモのために——事前の予告なしに——10分間も足止めされるのは、決して楽しいことではありませんが、それでも、仕方がないと思って諦めることはできます。
しかし、今日は、デモを優先的に通過させるため、丸の内口発着の路線バスまで10分間の遅延を余儀なくされました。路線バスにとり、定刻どおりの運行はきわめて重要です。悪天候でも渋滞でも事故でもない理由により10分も遅延させられるというのは、乗客にとっては納得しがたいことであるはずです。もちろん、10分間も信号待ちさせられる自動車の乗客や運転手がデモに対し決し好ましい印象を持つはずがないでしょう。
国内と国外の要人が自動車で移動するときに信号が操作され、交通が規制されること、これは当然の措置です。また、このような交通規制については、安全上の理由により事前の告知がまったくない、あるいは、ほとんどないのが普通であるはずですが、これもまた、当然であると私は考えています。
皇族、政治家、重要な外国人などの安全が脅かされると、社会全体が大きな影響を受けます。また、要人が自動車で公道上を移動するのは、決まった日時に決まった地点のあいだを——安全かつ遅滞なく——どうしても移動しなければならないときであり、経路や時間に関し選択肢がないのが普通であるはずです。通過する交差点の信号をすべて青にすること、さらに、他の車両がその道路に進入しないよう規制することには、しかるべき理由があるのです。
これに対し、私は、平日の昼間、それなりに交通量のある都心の道路の交通の一部をデモのために遮断することを、当然とは考えません。丸の内や大手町において木曜日の昼ごろにデモが行われなければならない必然性などない、つまり、時間と場所を選ぶことができるはずだからです。
少なくとも現代の日本では、労働組合の活動は、普通の社会生活が全体として正常に機能していることを前提とし、これをさらに改善することを目指すものであるはずです。そして、労働組合の活動がこのようなものであるなら、なおのこと、そのデモは、交通に与える負の影響がもっとも小さい時間と場所を選んで行われるべきであるように思われるのです。
*1:もちろん、京橋が目的地であるなら、八重洲口から出る方が近いのですが、中央線を降りてから駅の構内を横断する時間と手間を考慮し、丸の内口から出ました。