Home 高等教育 2022年度の春学期が終わった

2022年度の春学期が終わった

by 清水真木

 先週の火曜日、春学期の授業が終わり、大学は事実上の夏休みに入りました。

 新型コロナウィルス感染症の流行が始まった2020年の春以降、流行の状況と大学の方針に沿う形で、学期ごとに少しずつ授業の形態を変えてきました。

 今学期、私の本務校は、一応、対面を中心とすることを授業実施に関する全体の方針としていました。ただ、この方針もとでも、教室における学生の「密」を回避したり、特別な事情で教室に来られない学生に配慮したりすることが不要になったわけではありません。この意味において、対面とオンラインの両立が大きな課題でした。

 ただ、教員にとっては幸いなことに、この課題を解決するための具体的な工夫は、各教員に全面的に任されていました。

 私は、少人数の科目については、参加者の意向を確認した上で、すべてを対面のみで行いました。したがって、私の場合、オンランと対面の両立が問題となったのは、講義科目の場合だけです。

 私は、質疑応答を含め、単位の取得に必要な最低限の行動を「オンライン」で完結させることができるよう設計し、その上で、教室「も」使うことにしました。これにより、授業への学生のアクセスを容易にするとともに、出席率を抑えられたと考えています。

 以前に述べたように、対面よりもオンラインの方が、授業への学生のコミットメントが——少なくとも見かけは——向上します1 。オンラインによる履修を特別な事情で教室に来られない学生のみに限定し、教室へ足を運ぶことを原則としてすべての学生に要求する教員が少なくないようであり、たしかに、これは、1つの見識であるには違いありません。

 しかし、私自身は、自分の授業へのオンラインによるアクセスに何の制限も設けませんでした。私が学生に制限として提示したのは、「WebCT上の掲示板を用いた私への質問には、内容によっては回答しないことがある から、どうしても回答をほしい質問がある場合は、教室に来ること」という点だけです。以前に次の文章に書いたように、目の前にいる学生が多くなると、その分、「取り締まり」に費やされる時間と体力が増加します。授業の「効率」という点では、私にとっても学生にとっても、オンラインの方がすぐれていると言うことができます2

 今のところ、秋学期についても、授業の実施の方針は大きくは変わらない見込みです。したがって、私もまた、春学期と同じような方式で授業を続けることにしています。

  1. ただ、表面的なコミットメントの向上は、学力とは関係ありません。むしろ、小テストの平均正答率は低下しています。この数値を学力の反映と見なすなら、学力もまた低下していることになります。原因は不明です。 []
  2. 今学期は、学生の出席率を低く抑えていたにもかかわらず、全部で4人の学生からスマホを没収し、減点しました。授業開始前、文書と動画の両方を用いて、①「教室でのスマホ使用不可」をルールとして全員に提示し、②このルールに違反した場合は減点の対象となることをあわせて周知し、③「履修登録したことをもってこのルールに同意したと見なす」(=このルールに同意できなければ履修登録しないように)と伝えてあったのに・・・・・・。 []

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