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エイトライナーの建設計画について(前篇)

by 清水真木

 しばらく前、次の2つの動画をYouTubeで見つけました。

 エイトライナーというのは、北区(のおそらく赤羽駅)から羽田空港まで、環状八号線に沿って建設が計画されている地下鉄です。開通した場合、エイトライナーは、東京23区の西側を南北に結ぶ唯一の鉄道路線になります。

 エイトライナーの建設計画は、これと同じく北区(のおそらく赤羽駅)を起点として江戸川区(のおそらく葛西臨海公園駅)まで環状七号線沿いに東京23区の東側を南北に走るメトロセブンの建設計画と対をなすものです。メトロセブンが結ぶ地域にもまた、今のところ、南北を走る鉄道路線はありません。

 メトロセブンとエイトライナーが通るこれらの地域、および、その外側の地域の住民は、南北方向に移動する場合、いったん都心まで出なければなりません。たとえば、私の自宅から世田谷区の用賀まで自動車で行く場合、道路が空いていれば、所要時間は20分程度です。ところが、公共の交通機関のみで用賀に辿りつくためには、5分以上歩いて最寄りのバス停まで行き、そこから、バス(荻窪駅まで)、JR(新宿駅経由で渋谷駅まで)、東急田園都市線(用賀駅まで)を乗り継いで合計1時間以上かかります。環状八号線沿線より外側の住民の生活には、やはり、エイトライナーは必要であり、また、エイトライナーに接続する可能性のある路線の沿線に住む人々にとってもまた、それなりの便宜が期待できるはずです。

 もちろん、エイトライナーが開通しても、このことが沿線に好ましい変化をただちに惹き起こすことはないかも知れません。それどころか、ことによると、既存の路線との乗り換え駅以外は——どの駅も住宅が密集したエリアに作られるはずですが、それでも——乗降人員のランキングの下の方に集まってしまうかも知れません。

 ただ、少なくとも杉並区に範囲を限定するなら、環状八号線沿いの相当部分は、自家用車を持たない者にとっては事実上の「陸の孤島」です。東京が「スマート」な都市であることを目指すなら、この状態は、決して好ましいものではないように思われます。(とはいえ、エイトライナーが開通する可能性は、ゼロにかぎりなく近いと一般に考えられています。残念ながら、私もそう思います。)(後篇に続く)

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