歩道を歩いていると、前後から自転車が来ることがあります。私は、前から来る自転車には道を(仕方なく)空けることがありますが、後ろからの自転車には道を空けません。歩道というのは、歩行者専用の道です。歩道を歩いているときにまで後ろを振り返り、車両(=つまり自転車)を通すために道を空けなければならないとしたら、そもそも何のために「車道から区別された空間としての歩道」が設けられているのかわかりません。
よく知られているように、自転車は、原則として車道の左側を走行することが道路交通法で定められています。その上で、運転者が13歳未満および70歳以上、あるいは、身体障害者の場合、そして、標識で個別に指定されている場合には、歩道上の走行が例外的に認められます。
もちろん、歩道を走行することが許されている場合でも、自転車は、歩道の車道側を自動車と同じ向きに走らなければならないのですが、実際には、歩道上の自転車の約半分が逆走しています1 。警察官が乗るパトロール用の自転車が環状八号線の歩道を集団で逆走しているのを見かけたこともありますから、自転車に関する法規には、もはや何の意味もないと考えた方がよいのかも知れません。
私の自宅がある杉並区では、環状七号線、環状八号線、青梅街道、井の頭通り、五日市街道、甲州街道などの主な幹線道路には、普通自転車通行可の標識がほぼすべての区間に設置されています。ただ、杉並区の場合、幹線道路以外の道路において、自転車が歩道を走行することが許されている区間はほとんどありません。
さらに、これらの幹線道路でも、大抵の場合、歩道の幅は相当に狭く、自転車を通るたびに、歩行者は、歩道の隅に退避しなければなりません。これは、歩行者にとっては大変に苦痛です。(後篇に続く)
- つまり、ルールは完全に無視されています。 [↩]