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緑の少ない地域に暮らすことについて

by 清水真木

 私が住んでいるのは、東京都杉並区です。杉並区は、緑化率の数値は、基準が異なるデータが複数あり、一概に示すことはできません。ただ、どのような基準で計算しても、総面積に占める杉並区の緑地の割合が、東京23区のうち、少ない方から数えて5番目であることに変わりはありません。杉並区は、その名に反し、緑に乏しい地域であることになります。この点は、以前、以下の文章で大いに嘆いたとおりです。

 しかも、地図を眺めることにより誰でもすぐにわかるように、杉並区の場合、ある程度以上まとまった緑地の大半は、区内を北西から南東に流れる善福寺川沿いに集中しています。善福寺川の水源となる善福寺池を中心とする善福寺公園、善福寺川緑地、和田堀公園という3つの都立公園が善福寺川に沿って広がっているのです。特に、あとの2つは、事実上の地続きであり、全体として雑木林に覆われた1つの細長い緑地になっています。緑の少ない杉並区に住む私の不幸中の幸いは、自宅が、この大きな緑地まで徒歩10分程度のところにあり、緑地の端から端まで川沿いの遊歩道をいつでも散歩することができることかも知れません。

 しかし、これだけの緑地が区の一部に集中しているということは、これ以外の地域には緑がほとんどないことになります。緑があると言っても、「下高井戸おおぞら公園」や「桃井原っぱ公園」のような——一応は緑地に分類されているものの、実態としては——「巨大な空き地」ににすぎません。

 ところで、現在、井の頭線の富士見ヶ丘駅の南側で「東京都立高井戸公園」の整備が進行中です。今のところ、現地は、私の印象では、木がまばらに生えている「巨大な空き地」の段階にとどまっています。ただ、今後、時間の経過とともに、本当の意味における緑地に成長して行くかも知れません。

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