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パソコンが埃に弱いことを痛感した

by 清水真木

この文章は、以下の6点を内容としています。

  • 昨年8月から蔵書整理を開始し、半年で約2500点をスプレッドシートに登録。
  • 蔵書は日本語と外国語が半々で、外国語は英・独・仏が各3割、その他が1割。
  • 20世紀前半の洋書には版元や発行年の記載がなく、検索に時間がかかる。
  • 30年以上開かれていない本は大量の埃をため込み、作業中に机が汚れ、くしゃみが出る。
  • キーボード上にも埃が積もり、半年で2度交換する事態に。
  • 普通のキーボードでは耐えられず、防塵・防水仕様の水洗い可能なキーボードを購入し、様子を見ている。

 以前、次のような文章を書きました。

蔵書目録を作る

 以下は、これに関連する話です。

 昨年の8月に、書庫にある蔵書の整理を始めました。すべての蔵書を目録に収め、かつ、書架に並べることを最終目標に、しかし、当面は、祖父(清水幾太郎です)の蔵書の整理を最優先として作業を始めました。

 そして、それ以来、1日平均10点程度について、書誌情報をスプレッドシートに手入力する作業を半年以上にわたって続けてきました。現在、登録された点数は約2500点になります(が、これでも、蔵書全体の10%にも届きません。)

 厳密に数え上げたわけではありませんが、実際に入力した私の印象では、蔵書全体の約半分が日本語、残りの半分が外国語であり、外国語の内訳は、英語、ドイツ語、フランス語がそれぞれ約3割、残りの1割がその他の外国語の書物によって占められています。

 洋書には、わが国の書物のような厳密な「奥付」というものがありません。そのせいで、20世紀前半までに刊行されたものについては、版元や発行年が本体に記されていない場合があり、そのような本に遭遇した日には、キーワードを少しずつ変えながらNDLサーチやWorldcatで検索するのに相当な時間を奪われることになります。これは、蔵書整理の苦労の1つです。

 しかし、作業にとってもっとも大きな障害となっているのは、本に付着している「埃」です。

 頻繁に手に取られている本は埃をほとんど生みません。しかし、現在の作業の対象となっている書物はすべて、最後に開かれてから30年以上が経過しています。70年前から一度も読まれず、埃の塊のようになっている本すらあります。

 当然、このような古い本ほど付着している埃が多く、わずか10点入力しただけで、本に積もっていた細かい埃の他、経年劣化したグラシンペーパーの破片やカバーの縁から剥落した小さな屑で机が汚れます。(「天」の部分の裁断がきれいな本ほど埃が溜まりにくく、(したがって、整理作業中に落ちにくく、)反対に、「天」に細かい凹凸があると、この凸凹が埃を大量にため込むような気がします。)

 作業が終わったあとに手を洗うと、いつも水が真っ黒になります。作業中にくしゃみが止まらなくなることもあります。

 しかし、このような劣悪な環境の中でもっとも大きなダメージを受けたのは、書誌情報の入力のために使っていた電子機器、つまり、パソコンです。情報を入力すべき書物とパソコンのキーボードを机の上に並べて置き、書物を手に取って書誌情報を確認しながら入力する、このスタイルで作業するかぎり、パソコンのキーボードの上に大量の埃が降り注ぐのを避けることはできません。当然、毎日の作業が終わったあと、机の上を掃除すると同時に、ブラシとウェットティッシュを使ってキーボードとマウスの埃も必ず取り除いていました。

 それにもかかわらず、すでにこの半年で、パソコンのキーボードを2度交換しなければなりませんでした。隙間から入り込んだ細かい埃が事故の原因であることは間違いないように思われます。パソコンなるものを使い始めてから30年近く経ちますが、キーボードが動かなくなるという事態を経験したことはありませんでした。キーボードがここまで埃に弱いとは思ってもみませんでした。

 普通のキーボードでは過酷な環境に耐えられないと考え、しばらく前、「水洗いできる」ことを売りものにしたキーボードを購入しました。「水洗いできる」とは、防塵と防水の性能があることを意味します。有線のキーボードのせいか、特に高額ではありません1 。この特別なキーボードが本の埃に耐えて動作し続けるかどうか、しばらく様子を見守るつもりです。

  1. キーボードを埃から守る道具として、「防塵カバー」なるものがあります。しかし、これを使用することで、入力のしやすさがいくらか損なわれます。 []

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