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アルコールが媒介する不可視のネットワーク

by 清水真木

 酒を飲めない人間から見た「酒を飲むことのメリット」は1つだけあります。それは、「酒の席」に場所を与えられることです。

 酒を飲まないと、「酒の席」での意思決定には与ることができません。また、「酒の席」で形作られる人間関係からも締め出されます。それどころか、いつどこで「酒の席」が成立するのかもわかりません。

 アルコールを媒介とする人間関係というのは、酒を飲まない人間から見ると、気持ちの悪い不可視のネットワークです。(それが酒を飲む人間にとっては普通の付き合いであるとしても。)

 同じ職場にいながら表面的にはまったく接点のなさそうな2人の同僚が、裏では頻繁に連絡を取り合っているということを何かの偶然で知り、愕然とすることがあります。大抵の場合、これら2人を結びつけているのはアルコールです。

 酒を飲まない人間にとっては、これは不気味以外の何ものでもありません。

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